新歓合宿の夜、女子バレー部で起きた“秘密の関係”

【第一部:誘いと予感】

春の風がまだ肌寒く感じる四月、私たち女子バレーボール部は恒例の新歓合宿で、郊外の古びた体育館併設の合宿所へと出かけた。
あの夜のことを振り返るたび、私はまだ胸の奥が熱くなる。

新入生の私は、先輩たちに囲まれて緊張しっぱなしだったが、不思議と一人だけ、異様に視線が気になる人がいた。
それが、二年生の高坂先輩だった。無駄のない筋肉、寡黙な表情、けれど練習中に私のスパイクを受けたときだけ、ほんの一瞬、瞳の奥が揺れるのを感じた。

「…夜、寝れなかったら、一緒に体育館行こうか」
夕食後、風呂上がりの廊下ですれ違った先輩がそう囁いたとき、私はうなずくことしかできなかった。

布団に入っても眠れずにいた私を、静かにドアの隙間から招く先輩のシルエット。
私はスウェットの上にパーカーを羽織り、サンダルを履いて、音を立てないように部屋を出た。

誰もいない体育館。白熱灯の一部だけが灯された静かな空間で、先輩はバレーボールを胸で抱えて立っていた。
「…ちょっとだけ、練習しない?」
声のトーンは低く、それでいてどこか熱を孕んでいた。


【第二部:揺れ、触れ合い、こぼれた熱】

ボールを軽く打ち合いながら、私はずっと、自分の鼓動が強くなるのを感じていた。
高坂先輩は、いつもと変わらないように見えたけれど、どこか——言葉にできない気配を纏っていた。

私がネット際に足を滑らせた瞬間、後ろから支えるように先輩の手が私の腰を掴んだ。
「だいじょうぶ?」
耳元に落とされたその声が、いつもより低くて、微かな熱を帯びていた。

「こう、もっと腰を落として…そう。いいじゃん、美菜」
私の名前を呼ぶ口元が、こんなに近かっただろうか。
指先が私の腰に残るそのぬくもりが、ジャージ越しにも伝わってくる。熱く、湿り気を含んで。

やがてボールはコロリと遠くへ転がり、私たちの間に、気まずいほどの静けさが落ちてきた。

「美菜…触れても、いい?」
先輩の声は、まるで何かを許しを請うように優しかった。
私は息を呑み、けれど逃げることもできず、ただ静かに頷いた。

指先がそっと私の頬に触れた。
やわらかく、けれど内に熱を秘めた手が、私の髪を耳にかける。
その仕草ひとつで、心が揺れる。
次の瞬間、唇が重なった。まだ冷たい体育館の空気のなかで、私たちの唇だけが、確かに熱を持っていた。

最初は戸惑いを含んだ、浅く震えるようなキス。
けれど、二度目は深く、呼吸と共鳴するように、私の口内にやわらかな熱を送り込んでくる。
舌が触れあい、息が混ざりあうたび、私の胸の奥で何かが静かに崩れていった。

「…こんなこと、本当はしちゃいけないのにね」
先輩がそうつぶやいたとき、私はなぜか安堵していた。
その禁忌の響きが、むしろ私の欲を正当化してくれるようで。

床に座り込むと、先輩は私のパーカーの裾をそっとたくし上げ、ジャージの内側へと指を滑り込ませた。
肌と肌が触れ合った瞬間、私は電気のような衝撃に身を震わせた。

手のひらが、お腹をなぞる。
それは探るように、そして愛おしむように、ゆっくりと上へ——
やがて、ブラの上から私の胸元を包み込んだ。

「こんなに…」
先輩の声は低く、かすれていた。
指先が布越しに私の乳首に触れたとき、私は耐えきれず声を漏らしそうになり、咄嗟に唇を噛んだ。

その震えを先輩は逃さなかった。
「我慢、しなくていいよ」
そう囁きながら、ブラのホックが音もなく外された。

体育館の白熱灯の淡い光の下で、私の上半身は徐々にあらわになっていく。
羞恥と、期待と、どうしようもない高揚感。
先輩の目が、私の胸元を静かに見つめているのが分かった。

唇が鎖骨に触れる。
ひんやりとした舌先が、やがて胸の谷間へと滑りおちていく。
そのたびに私は、小さく肩を揺らした。

「…すごく、きれいだよ、美菜」
その言葉が、嘘ではないとわかるから、私はそっと目を閉じた。

そして、先輩の口づけが、私の乳首に届いたとき——
私は自分の中で何かが崩れ落ちる音を聞いた。

濡れた舌が、ゆっくりと回る。吸い、なぞり、愛おしむように。
もう片方の乳首には、指先がそっと触れては、摘まむように転がされる。
熱が胸から、内腿の奥へと、波紋のように広がっていった。

脚の奥が濡れている。分かる。
けれどそれを恥じる気持ちは、もうどこにもなかった。

先輩が私の腰に手を回し、そっと下腹部に手を伸ばした瞬間、私は息を飲んだ。
ジャージの中へと入っていく手。ショーツ越しに、優しく撫でられたとき、全身が浮かび上がるようだった。

「美菜、ここ…すごく熱い」
耳元で囁かれ、私は頷くことしかできなかった。

そこから先は、もう抗うことすら忘れていた。

——私はこの夜、女である自分のすべてを、先輩の指先と、口づけにゆだねてしまった。


【第三部:静寂と、明け方のまなざし】

指先がショーツの布地をそっとなぞったとき、私はもう自分の身体が自分のものではないような錯覚に陥っていた。
柔らかな生地越しに伝わる先輩の指の輪郭。撫でる、止まる、押しあてる、そのわずかな変化ひとつひとつが、
まるで私の奥を直接ゆさぶるように響いてくる。

「ここ…すごく敏感になってるね」
そう囁かれながら、先輩の指先は、ショーツの内側へと静かに忍び込んでいく。

そこはすでに、驚くほど濡れていた。
指が触れた瞬間、私は思わず膝から崩れ落ちそうになり、体育館の床に指をついた。
ぬるりと滑る感触、奥に触れられるたびに、脚のつけ根がひくつくように波打つ。
こんな感覚、初めてだった。

「ここ、気持ちいいの?」
言葉にならない私に代わって、身体が正直に答えてしまう。
先輩の指がリズムを刻みながら、奥へと、また奥へと忍びこんでいくたび、私は息を詰めては吐き、
肩を震わせながら、彼女の胸に額をあずけた。

脚の内側から、じわじわと熱がせりあがってくる。
奥の奥、知らなかった自分の核が、火照り、疼き、痺れを伴って高まっていく。
そのたびに、私の脚は彼女の腰に絡まり、逃げることも抗うこともできなかった。

「すごく…可愛い反応するんだね、ほんとに」
言葉とともに指が押し寄せ、そして濡れた舌が、胸元へと再び戻ってくる。
片方の乳首を吸われながら、脚の奥を絶え間なくかき回されるという、
二重の快感に私は、もう声を堪えることさえできなかった。

「あっ…あっ…だめ…っ」
声が漏れるたび、先輩の吐息がより深くなり、指の動きが巧みに、そして容赦なく私の核を探りあててくる。
次第に全身の筋肉が震え、視界がにじみ、何も考えられなくなっていった。

波が、くる。
意識が、溶ける。
私は、壊れてしまう——
そう感じた次の瞬間、脚の奥から何かがほどけ、甘い痙攣となって全身を突き抜けた。

「っ…あっ、あぁ……っ」
喉の奥から漏れた声が、体育館の静けさに吸い込まれていく。

全身の力が抜けて、そのまま床に仰向けに倒れこむ。
まるで、自分の骨のかたちまで脱ぎ捨てたような、完全な無重力のなかに私はいた。
先輩がそっと私の髪を撫でていた。その手のひらも、まだ小さく震えていた。

どれほど時間が経っただろう。
ふたりで並んで横になり、私は天井の白い光をぼんやりと見上げていた。
冷たい床が、逆に気持ちよく感じられた。熱を持ちすぎた身体に、静けさと冷気が染みわたっていく。

「…忘れていいからね」
隣で先輩がつぶやいたその声に、私はゆっくりと首を振った。

「忘れたくないです」
そう答えたとき、自分の声が震えていることに、私自身がいちばん驚いた。

この夜、体育館の床で感じたあの熱、あの震え。
それは単なる“初体験”ではなく、
——私が女であることを、自らに刻みつけた、ひとつの通過儀礼だった。

月明かりが、うっすらと高窓から差しこんでいた。
朝は、もうすぐそこに来ていた。

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