夫の部下と、夫の隣で──38歳主婦が堕ちた禁断の夜

【前半|リビングの静寂、ひとりだけ昂ぶる身体】

夫が連れてきた部下──森くんは、思っていた以上に礼儀正しく、そして、若かった。
25歳。奥さんと小さな子どもが二人。
それでも、玄関先で私の顔を見た瞬間のあの視線──脚から胸元までを一度だけすくい上げた、あのほんの数秒が、私の身体を不意にざわつかせた。

「奥さん、スタイル……すごく綺麗ですね」

一瞬の沈黙。
私は、笑うしかなかった。

「いやだ、そんな……若い人に言われたら、調子に乗っちゃう」

でも、ほんとうは嬉しかった。
心の奥が、甘く、くすぐられるように疼いた。
私は38歳。三人の子を産んでも、ウエストラインは保っている。
胸は多少張りを失ったかもしれないけれど、それでもブラのカップはまだ誇らしげに膨らむ。
お尻はしっかりとした肉付きがあり、ヒップアップのための筋トレも欠かしていない。
週に三回のヨガ、毎朝の白湯、ノーブラで家を歩くことさえ気にしている。

若い男の視線に、それを見抜かれた──
その事実に、私の女としての本能が、静かに目覚めた。


夜。
夫と森くんは、焼酎を交わしながら笑い、やがてそのままリビングで眠った。
ソファに沈んだ夫の胸元が上下し、森くんはその足元に敷いた布団で仰向けに寝息を立てていた。

私は寝室のベッドで目を閉じる。
けれど──眠れなかった。

あの目。
あの声。
あの、脚を見つめた数秒の沈黙。
ネグリジェ越しに感じた、視線の余熱が、まだ皮膚の奥に残っているようだった。

布団の中で何度か寝返りを打った末、私は静かに立ち上がる。
気づけば、薄いレースのネグリジェのまま、リビングの扉の前に立っていた。

そっと開けると、豆電球のやわらかな灯りが、二人の寝姿をぼんやりと照らしていた。
森くんの顔は、すぐそこにあった。
半開きの唇。ほんのり色づいた頬。
シャツの第一ボタンが外れ、鎖骨のあたりにほんの少し汗の光が浮かんでいるように見えた。

私は、彼の枕元に静かに膝をついた。
心臓が、じんじんと脈打っていた。

──この感覚を、私はずっと、忘れていた。

「見てほしい」と思ったのは、いつ以来だったろう。
「触れてほしい」と願う相手が、目の前にいることの甘美さ。
夫には、もう何年も女として見られていない。
けれど、この若い男の目には、私はたしかに“女”として映っていた。

身体が疼く。
私はネグリジェの裾をたくし上げ、下着を指先でそっとずらす。

指が触れた瞬間、もう濡れていた。
誰かに見られているかもしれないという緊張が、指先の感覚をより鮮やかにする。
ひと撫でごとに、熱が奥から広がっていく。

喉の奥で、声が震えそうになるのを飲み込んだ。
目の前にいるのは、夫の部下。
しかも、そのすぐ先には、夫が眠っている。

そのタブーが、スリルとなって私をさらに昂ぶらせる。

私は身体を倒し、膝を広げ、森くんの顔を跨ぐように腰を落とした。
肌の奥から湧き上がる蜜が、太ももを伝ってこぼれ落ちる。
彼の寝息が、敏感に膨らんだ秘部にふわりとかかるたび、腰が勝手に震えた。

見られていないと知っていながら、「見られてしまうかもしれない」と思う。
その背徳感が、指をもっと深く、濡れた奥へと誘った。

もう片方の手で乳首を転がす。
硬く尖ったそれが、薄布を濡らして突き出す。
息が漏れる。喉が熱い。腰が痺れる。

そして──

「……ッ……あぁ……っ……」

私は、何度も波に呑まれながら、小さく震えて果てた。
膝が崩れそうになるのをこらえながら、ゆっくりと腰を戻し、彼の顔を見下ろす。

目は閉じたままだった。
けれど、ほんの少し、唇の端が上がったように見えたのは──
気のせいだったのだろうか。

私は、ネグリジェの裾を整え、そっとリビングをあとにした。

女として、誰にも見られないまま、果てる夜。
けれどその残り香は、身体の奥深くに、くっきりと刻みつけられていた。


【後半|夫の横で──咲いてしまった私】

朝方の空気は、どこか湿り気を含んでいた。
カーテンの隙間から薄明かりが差し込む頃、私はまた、静かに目を開けた。
頭の奥にまだ熱が残っていて、身体の芯がじんじんと疼いている。

(さっきのは……夢じゃない)

私は確かに、自分の指で、彼の寝息のすぐそばで──
女として、何度も果てた。

あの一線を越えたわけではない。
触れ合ってもいない。
けれど、もう私は戻れない場所まで来てしまったのだと、身体が知っていた。

その証拠に、脚のあいだはまた、じっとりと湿っていた。

衝動のままに、私は再び寝室を出てリビングへ向かう。
夫は変わらずソファでいびきをかき、森くんはその足元、布団の上に仰向けで寝ていた。

けれど──今度は、彼が目を開けていた。

「……起きてたの?」

私の問いに、彼は静かに頷いた。

「全部……見てました。さっきの、全部」

恥ずかしさよりも、むしろ身体が熱を帯びていくのを感じた。
羞恥と、それ以上の、欲望。

「奥さん……あれ、誰にも見せない顔でしたよね」
「……どうして、そんなこと言うの」

「……抱かれてもいい、と思いました。旦那さんがいる、この場所で」

彼は布団をめくり、私に手を差し伸べた。
指先が触れた瞬間、私の脚は自然と動いた。
何かに導かれるように、彼の布団の中へと、静かに滑り込んだ。

私のネグリジェの肩紐が、彼の指でそっと滑り落とされる。
乳房があらわになった瞬間、その先端をふっと息で包まれただけで、背中がぞくりと震えた。

「……ほんとに綺麗だ。形も大きさも、理想そのもの」

そう囁いたあと、彼はゆっくりと口づけた。
唇、舌、そして吸いつくような感触。
乳首が口の中で転がされ、甘く湿った音が響く。

脚のあいだから蜜がとろりとこぼれたのを、自分でも感じた。

森くんはゆっくりと顔を滑らせ、私の脚のあいだへ潜り込んでいく。
指でそっと花びらを開かれたとき、私は思わず震えた。

「……こんなに濡れて……奥さん、感じやすいんですね」

そして、彼の舌が、音を立てて私を掬いあげた。
柔らかく、そして時に鋭く、つんと尖った舌先が敏感な箇所を撫でるたびに、私は喉を震わせた。

「……んっ、ダメ……そんな、音立てたら……」

「でも……嬉しそうな声、もっと聞かせてほしい」

くちゅ、じゅる──
そんな音が、誰かの寝息のすぐ隣で交わされている。
脚を閉じようとしたけれど、もう遅かった。
私は、頭を抱えて小さく喘ぎながら、彼の舌に迎えられて果てていった。

息を整える暇もなく、今度は私が彼の上に跨がる。
すでに硬く脈打つそれが、布越しにもわかる。

下着を脱がせた彼の中心を見つめながら、私はゆっくりと唇を開いた。
その先端を舌で転がし、根元までくわえ込むと、彼が小さく息を呑んだ。

「……やば……奥さん、それ……ほんと……」

私の舌がゆっくりと上下し、口の中で彼を包み込む。
ぬるりとした音とともに、喉の奥が濡れていく。

そして、私はまた彼の上に跨がった。
自らの手で彼を導き、湿った奥へと沈めていく。

「……全部、入ってきた……」

夫のいびきがすぐそこにある中で、私は別の男に満たされていた。

腰をゆっくりと揺らすたび、奥の奥まで彼が届く。
濡れた音が、布団の下で交錯する。
乳房が揺れ、腰が跳ね、快感が何度も波のように押し寄せる。

目の前が霞んでくる。
熱にうなされるように、何度も突き上げられ、私は果てた。

夫の隣で、私は“妻”を脱ぎ捨て、“ひとりの女”として咲いた。

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